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血液検査で白血球(WBC)が高い!この5種類に注目!

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健康診断

健康診断の項目で必ず入っているのは、血液一般検査ですよね。

その中のWBCと言えば、白血球の数を調べる検査です。

白血球は、ご存じの通り病原菌が入ってきたら全力で戦う、という体にとって大事な働きをしてくれます。

白血球の数を調べる事によって、現在病気にかかっているかどうかを知る一つの基準になります。

検査2

この検査で、白血球の数値が高いと言われたらどんな病気か気になりますよね。

本日は、血液検査で白血球の値が高い時の原因や改善方法などについて、内科医の先生に解説して頂きました。

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血液検査のwbcとは?

wbcとは

血液検査をするとよくWBC という言葉を耳にしますよね。

このWBCは英語のWhite Blood Cellsという名称を略したものであり、白血球と言われ普段は血液の中に含まれている物質です。

私たちの血液の中には、赤血球、白血球、血しょう、その他の色々な物質が含まれており、それが体中を駆け巡って色々な働きをしてくれます。

白血球には5つの種類の物質が含まれていて、それを総合して白血球と言われています。

では、なぜ血液検査で白血球を調べるのが必要なのでしょうか?主な要因は以下の5つです。

•体の防御機能を担っている•(白血球の)5つの種類によって細かく防御する役割が決まっている•外から見えない体内の異常(感染や病気)を示してくれる•その上昇や減少により、体内で暴れている病気が特定できる•体内が炎症している場合に特に敏感に反応する

このような理由があります。

では、一体白血球の基準値が高くなった場合には、どのような原因や病気が考えられるのでしょうか?

基準値より高くなった場合の原因や病気について

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はじめに、実際には白血球の基準値が標準の範囲内でも、5つの構成比(5つの種類の白血球の構成比は決まっています)がおかしいという異常も稀になります。
このようなときは、血液検査の他に画像検査と呼ばれる、白血球を実際に画像にしてその構成比を調べる検査も同時に行われることが多いです。

  • 白血球の基準値:3,500/μl~9,000/μl(血液1μl中の白血球の数を表しています)

*注意:白血球は少し調子が悪かったり、寝不足になっただけでも数値が跳ね上げるため、基準値自体の範囲はかなり広く設定されています。

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基準値よりも高い時に考えられる病気

まず初めに述べましたように、白血球は体を守るために働いています。そこで白血球が高くなる原因は主に3つです。

•体外からの菌やウィルスによる感染•体の炎症(アレルギー反応も含まれます)•体の免疫機能の異常(免疫力が必要以上に増えすぎてしまう場合)

この3点から、考えられる代表的な病気は以下になります。

代表的というのは、血液検査だけでは特定できない病気もあるため、血液検査の白血球の数や構成比で病気を限定して、さらに特定するための詳しい検査に入っていきます。

•細菌やウイルスによる炎症や感染症、寄生虫感染

(風邪などの軽い感染症も入るので、何種類もの病気が想定されます)

これらの場合には、その他の症状や既往歴、問診などにより徐々に感染源や感染症の種類を特定していき、それに合った詳しい検査を行います。

•アレルギー反応

(アナフィラキー性ショックや遅滞型アレルギーなど)

これらのアレルギー反応の場合には素早く治療しなくてはいけませんので、原因の特定とともに先に治療を開始することの方が多いです。

•膠原病(自己免疫性異常)やアトピー性皮膚炎

この病気は免疫力が過剰に働いてしまい、自分の体を攻撃してしまう病気です。

•悪性腫瘍

(白血病)

その他にも、心筋梗塞、妊娠、ストレスなどでも白血球は基準値よりも高くなります。

そのため、高いからといって必ずしも重病というわけではありません。

総合的に判断して病気であると診断されるまではあまり心配しないようにしてくださいね。

診察例

医師

(勘違い例1)

38歳女性・既婚者の方が定期検診のため血液検査に来ました。
内科で血液採取した結果、白血球の上昇がみられました。また、体もだるく微熱があり腹痛の症状を訴えていました。

血液検査やそれに合わせて行った妊娠検査の結果、妊娠という診断になりました。

38歳という年齢と全く予測していなかったため妊娠に気が付かなかったようでした。

(勘違い例2)

28歳男性が人間ドックで血液検査をしました。

白血球の上昇やその他の数値の異常も見られました。人間ドックには出張先から直接いらっしゃいました。

他の症状やふだんの生活などの問診、また他の検査により診断は、「疲労やストレスによる軽い脱水症状」でした。

また、軽い風邪を引いていたようでそれらが全て白血球の上昇をもたらしていました。

そして、ヘビースモーカーの人は長い間喫煙することにより肺が炎症を起こしやすくなるため、白血球の数が多いです。

これらの人は重大な病気ではなく、2,3日の自宅での安静により仕事に復帰されていますので、大抵の方はこのような上昇でも他の原因がありあまり気にすることはありません。

 

白血球の事や種類について

ポイント

白血球には5つの種類に厳密に分かれており、それぞれが別々の体を守る働きをしています。

好中球

白血球の中で一番数が多いのがこの好中球です。

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約5割から6割以上を占め、骨髄細胞から絶えず生み出されています。

この好中球で大切なことは以下の3点です。

•急な炎症のマーカーになる

医学用語では急性とよく言われますが、主に急性の炎症に対してマーカーとして役に立っています。

•貧食能 (食作用)

率先して外部から侵入してくる雑菌と戦い、その体内に取り込み無毒化してしまいます(食べるとも表現されることが多いです)

•好中球の死骸が膿となる

よく炎症を起こした部分やけがをして膿がでたりしますが、その膿は実は好中球が外部からの菌と戦ったあとの死骸です。

好酸球

その数は好中球などに比べると少なく、3%~6%ほど白血球中に存在しています。

しかし、この好酸球はとても私たちの体内でとても大切な働きをしており、なくてはならない存在です。

•喘息や薬物などのアレルギー反応のマーカー
•寄生虫に対してのマーカー

まだ多くのことは分かっていませんが、好酸球が寄生虫に反応すると特殊なたんぱく質を作り出すと言われています。

•殺菌作用

好中球は自分の体内に取り込んでしまいますが、好酸球は殺菌作用を持っています。

好塩基球

白血球の中に1%程度しか含まれていません。

そのため、好塩基球の異常な上昇がみられた場合には体内のどこかに病気が潜んでいると考えたほうがいいと思います。

好酸球とも混同されやすいのですが、好塩基球は主に以下の時に上昇します。

•ヒスタミンに反応する

ヒスタミンとは、痛みや痒みなどのアレルギー反応の際に細胞から放出される物質です。

ヒスタミンには2種類のタイプが存在していますが、アレルギー反応に関係しているヒスタミンはヒスタミンH1と呼ばれるタイプです。

•アナフィラキーショック、アレルギー性鼻炎の即時型アレルギー反応を示す

アレルギー反応には4種類の反応がありますが、そのうちの即時型アレルギー反応を示します。

即時型アレルギー反応とは、食べ物アレルギーや花粉症など、そのアレルゲンに接したとたん即座にアレルギー反応を起こすアレルギー反応です。

食物アレルギーやアレルギー性喘息、鼻炎、結膜炎などはこれに当たります。

単球

数は少ないのですが、白血球の中では一番大きいいので有名です。

細菌が体内に入り込むとそれに近づき体内に取り込みます。

次に、細胞内にあるリソソームと言われるタンパク質と合体して細菌を無毒化(消化)していきます。

•細菌の取り込み
•血管の外へ出た場合にはマクロファージと呼ばれるものに変化
•慢性的な炎症をリンパ球の中の細胞(Tヘルパー細胞など)と協力して鎮静化

急な炎症にはまず、好中球がでますが、慢性的な炎症になると単球が活躍してその炎症を抑えようとします。

•情報をリンパ球へ伝える(抗原提示)

体内に入った雑菌やアレルゲンなどの情報をリンパ球へ伝えて、免疫情報に役立てています。

リンパ球

リンパ球は、まずその元となるものが未熟なリンパ球が骨髄で作られ、そこからNH細胞、B細胞、T細胞という細胞にに分かれて成長します。

NH細胞、B細胞、T細胞も細かな働きは違いますが、リンパ球はウィルスのような体内に侵入した小さい病原や、腫瘍細胞などに働きかける免疫機能があります。

イメージ的には、リンパ球から免疫グロブリンと呼ばれる抗体(投げるような武器をイメージしてください)を放出し、病原体や腫瘍細胞を攻撃します。

リンパ球(B細胞)

•ウィルスや病原体を動かせなくする
•病原体に印をつける
•免疫記憶の役割

抗原となる病原体やアレルゲンなどの抗原体の情報を記憶します。

予防接種などはこの働きを利用して行います。

リンパ球(T細胞)

•Th1細胞:キラーT細胞やマクロファージを活性化させます

自衛隊の補給部隊のような役割をします。

前線には立ちませんが、その前線が上手く攻撃できるようその武器(免疫グロブリン)などのメンテや補給をします。

•Th2細胞:別名ヘルパーT細胞

武器である抗体(免疫グロブリン)を生産します。

•キラーT細胞:キラー(殺し屋)の名前の通り、病原体を殺します
•NK細胞:ナチュラルキラー細胞の名前の通り、武器を持たずに病原体を殺します。

*厳密には違うのですが、イメージ的にはキラーT細胞が武器(銃やナイフ)で敵を倒すのに対し、NK細胞は直に敵を殴って倒すような感じです。

なので、NK細胞の方がT細胞よりも素早く活動でき敵(病原体や腫瘍細胞)を倒そうとします。

まとめ

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WBCは血液検査のことであり、血液の1種である白血球の数や構成比などを調べて、私たちの体にまだ表れていない異常を探し出す検査です。

WBCには5種類の白血球があり、それぞれに違った役割を持ち、それを上手く私たちの体内に働かせ外からの菌やウィルス、または体内でできた腫瘍細胞を攻撃したり飲み込んだりして守ってくれています。

WBCの数が多い場合には病気にかかっている場合が多いですが、それ以外の健康な時でも体の状態によっては高くなることも多いのであまり悩まずにまずは血液検査を受けましょう。

<ライター経歴プロフィール>

増田陽子

カリブ海で内科医師をしています。最新機器がない島で最低限の技術で工夫して患者さんを診察しています。日本の医療技術は先進国の中でも高い技術を誇っていますので、その技術の恩恵を利用しない手はありません!不安になったら心配せずに、どんどん病院へ行きましょう!

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