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血液検査でHbA1cが高い原因は?普段の生活習慣が見える?

      2016/12/11


健康診断で必ず検査する項目にHbA1c(グリコヘモグロビン)があります。

今まで変化が何も無かったのに、年々少しずつ数値が高くなってきたり、いつの間にか基準値を超えていたら困りますよね。

このHbA1c(グリコヘモグロビン)が高くなるのは、何故なのでしょうか?

女性17

本日は、血液検査をした時にHbA1c(グリコヘモグロビン)の数値が高い時の原因について、循環器内科医の鷲尾先生に解説して頂きました。

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HbA1c検査から何が分かる?


まずは、HbA1cとは何かを見てみましょう。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、貧血の指標にもなっている赤血球中のHb(ヘモグロビン)に、血液中の糖がどれくらい結合しているかを示す値です。

赤血球の寿命は、通常4か月と言われており、その間に、赤血球は血管の中をぐるぐる回り、血液中の糖と結合していきます。

これらの事を利用し、糖と結合した赤血球中のHbを測ることで、1~2か月の血糖の動きを見ることが出来るのです。


血液中の糖を見る場合に、血液内の糖を直接見る血糖と、過去1~2カ月の血糖値の平均を見るHbA1cがあります。

血糖は、採血をしたその瞬間の値を示しているため、食前では低く食後では上がる血糖値を評価するためには、何度も採血をしないと正確な血糖の動きが見れません。

しかし、HbA1cは食前・食後も合わせ平均した1~2か月の血糖値を示しますので、血糖とHbA1cの両方の検査を併せて行うことで、より血液中の血糖の様子が分かるのです。

HbA1cが高いということは、血糖が高い状態が続いていたと判断されます。

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HbA1c検査について


検査2
HbA1cは、採血によって簡単に調べることができ、採血した時点からさかのぼった過去1~2か月の血糖の平均値を見ることができるのです。

HbA1cは、血糖測定のようにその瞬間の値と違いますので、健康診断前に数日の短期間のみの食事制限をしたところで、その値は下がりません。

またそれとは逆に、普段は食事に気を付けているけれど、たまたま検査前日にたくさん食べてしまったとしても、HbA1c値は上がることはありません。

検査数日前から、優等生をして規則正しい生活をしても普段の生活を映し出すので、うそがつけない検査の一つです。

以前の健康診断では、血液検査で血糖や尿中の糖のみを調べることが多かったですが、最近ではそれに付け加えHbA1cも調べるようになってきています。


では、「HbA1c値の正常値はどのくらい?」と聞きたくなりますよね。以下の表をご参考下さい。

以前は、JDS値という日本の基準を使用していましたが、現在はNGSP値という国際標準値に移行してきております。検査値を見るときには、どちらの基準値かを必ず確認しましょう。

HbA1c値
(NGSP値)
評価
4.8%~5.4%普段の血糖値が正常範囲内の人
5.4~6.4%時々血糖が高めの人(境界型糖尿病)
6.5%以上糖尿病


HbA1cが高い時の原因と病気は?


医師
HbA1cが高いということは、血中の糖が高い状態が長く続いているということです。
 
では、この状態になる原因、病気ははなんでしょうか?


多くの人がまず、糖尿病という言葉が出てくると思います。その通りで、やはり一番多いのは糖尿病です。

健康診断を行う上で、「糖尿病を見つけるべく行う検査。」と言っていいほどの検査と言えるでしょう。


では、他には?というと、少し難しくなりますが、甲状腺機能亢進症という病気があります。すべての体の機能が亢進したためにおこる続発性糖尿病が原因で、HbA1cが上昇します。

その他には、妊娠による糖尿病があります。

また、状態によってはHbA1c低値になったりすることもありますが、腎不全やその他に珍しい病気になりますが、異常ヘモグロビン症などもHbA1cが高値となる可能性があります。

HbA1c高値となりえる病気


1)糖尿病

2)甲状腺機能亢進症等

3)腎不全

4)異常ヘモグロビン症


余談ですが、逆にHbA1cが低くなる病気としては、貧血、肝硬変、インスリノーマ(膵臓の腫瘍)などの可能性があります。


また、HbA1cだけ高く、血糖が正常値なる場合もあるのではと、疑問を持たれる方もいると思います。。

糖尿病の方であっても、検査の2~3日前から食事制限をすれば、血糖は20~30㎎/dlは下がります。こうなると、血糖は正常値でもHbA1cは高くなります。

もちろん、糖尿病以外で前述に述べたような病気のある方は、血糖値は正常でHbA1cは高くなります。

「HbA1c高値=糖尿病」というわけではないので、HbA1c高値で出た場合は、精密検査の必要があります。


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糖尿病について


検査
糖尿病は、皆様がよく耳にする病気ですよね。

よく知られている病気の一つですが、とても奥の深い病気でもあります。糖尿病は以下のように、いくつかのタイプに分けられます。

糖尿病のタイプとは


1)1型糖尿病

2)2型糖尿病

3)続発性糖尿病

4)妊娠糖尿病



1)1型糖尿病は、自己免疫反応の異常やウィルス感染等が原因で、膵臓から血糖を下げるホルモンであるインスリンが絶対的欠乏し、高血糖となり発症します。


2)2型糖尿病は、日本人には多く、日本人の糖尿病の95%はこのタイプと言われます。遺伝や高カロリーの食事、運動不足、肥満、喫煙などで引き起こされ、「インスリン作用不足」によって起こります。

インスリン分泌が低下してしまったり、インスリンの効きが悪くあったりして(インスリン抵抗性と言われています)、2型糖尿病は起こるということです。


3)続発性糖尿病は、肝疾患や内分泌疾患、薬剤が原因となるなど、特定の疾患が原因となり血糖が上がる糖尿病です。

いろいろなことが原因におこりますので、HbA1c、血糖が高値の場合は、どのタイプの糖尿病かも含め、精査をする必要があります。



糖尿病の症状


一般的な症状としては、以下のようなものがあります。

  • のどの渇き
  • 多飲・多尿
  • 体がだるい、疲れやすい
  • おしっこの匂いや性状がかわった(尿の泡立ちが消えにくい)
  • 体重減少
  •  

    など

    糖尿病でこれらの症状があり、放置していると、次に恐ろしい合併症が待っています。

    合併症として以下のようなものが、あります。

  • 糖尿病性網膜症による視力障害・失明(成人の失明原因の第2位)
  • 腎障害がおこり、最終的には血液透析(血液透析が必要となる原因の第1位)
  • 神経障害を起こし、手足のしびれや痛みの出現
  • 血管障害による動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞など
    (脳卒中のリスクは健常人の3倍、心筋梗塞・狭心症のリスクは健常人の3~4倍)


  • これらの症状がご自身に思い当たるようでしたら、精密検査をお勧めします。

    では、糖尿病と診断される基準が、気になるところと思います。

    診断基準を以下の表にまとめましたので、ご参考にして下さい。


    糖尿病の診断基準
        

    糖尿病の治療方法など


    糖尿病を簡単に言うと、「血液内の糖(ブドウ糖)が、高い病気ですよね。」ということです。

    ではなぜ、血糖が高いことがダメなのでしょうか?


    血糖が高い状態が長く続くと、血管や神経が障害され、合併症と言われる怖い病気が引き起こされます

    そうならないために治療をしましょう、という事なのです。


    合併症は前述にも記載していますが、沢山の血管で成り立っている臓器である腎臓、頭や心臓を栄養している血管の障害が起こることにより、腎不全、狭心症・心筋梗塞、脳卒中等の重篤で生死にかかわる病気たちには要注意です。


    また、生死にはあまり関わるものではないですが、失明になる糖尿病網膜症、しびれを起こす末梢神経障害や自律神経障害という生活レベルを下げる病気も起こってきます。

    もちろん、合併症以外にも急激に血糖の上昇を起こし、意識障害やショックを起こす場合もあります。これらのことが起こらないように、治療を行う必要があります。


    治療は、基本として食事・運動療法を行います。

    それでもうまくいかない場合は、食事運動療法と合わせて、内服薬による薬物療法、注射によるインクレチン療法やインスリン療法を行います。


    最近では、内服薬もいろいろな種類があり、注射薬に関しても従来のインスリン以外にも、インクレチン注射薬と沢山の治療法があります。

    糖尿病の状態や患者様に合わせて、様々な種類の中からどの薬が一番良いかを選択して治療を行います。どの注射薬を含む薬物治療を行っても、基本的な食事・運動療法は続けていく必要があります。

    最後に


    糖尿病の初期段階では、症状がない場合や重篤な症状でないため、放置しがちです。

    しかし、高血糖の状態が長期にわたり続くことで、合併症という生死にかかわる病気を起こすのです。

    このような重篤な病気を起こして後悔しないように、糖尿病及び糖尿病の疑いが検査で出た場合は、早期に精査を行い、必要であれば治療を行うことをお勧めします。


    <ライター経歴プロフィール>

    鷲尾 美香

    20年程、循環器内科、総合診療科医として日本で勤務医として働かせて頂き、また海外の医療搬送のお仕事もさせて頂いております。そのため、日本国内だけでなく海外の医療現場にも関わり、沢山のことをさせて頂いています。現在、主人の仕事の関係で海外に拠点を置いておりますが、日本と行ったり来たりで医療に携わっております。また、産業医としてのお仕事をさせて頂き、検診や外来診察もさせて頂いた経験から、検診の重要性を感じております。



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