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血液検査のMCVって?MCHとMDHCは?まとめてご紹介

      2016/12/11


血液検査をしたら、MCVとMCHとMCHCと言う項目があるけど何を調べているの?

もし、その3つの項目が高かったり低かったりと異常値の場合は、どんな病気が考えられるのかと気になりますよね。

血液検査
では、どのような検査なのか外科医で活躍されている先生に解説して頂きました。

まずは、検査について知る前に少しだけに血液について見てみましょう。

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MCV・MCH・MDHCは赤血球の検査?


血液検査
血液は、酸素や栄養の運搬、細菌やウィルスなどの病原菌の撃退、ケガをしたときの止血作用など、人間が生きていくうえで欠くことのできない多くの役割を担っています。

この体にとって大事な血液は、約55%が液体成分である血漿、残りの約45%は有形成分(赤血球、白血球、血小板)である血球で構成されています。


今回は血球の中でも赤血球にフォーカスを当ててみましょう。

赤血球の役割は酸素を運搬することです。その機能を担っているのが赤血球の中にあるヘモグロビン(血色素)です。


血液検査の内、赤血球に関する検査としては、赤血球数、ヘモグロビンと、ヘマトクリットの3つが基本の検査ですが、それらから計算される検査値として、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球色素量)、MCHC(平均赤血球血色素濃度)という項目を見たことがある方もいるでしょう。


紛らわしい名称のこれらの検査値はいったい何を意味するのでしょうか。

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■血液検査のMCV、MCH、MDHCとは?どのような検査?


検査2
MCV、MCH、MCHCの検査は、貧血のタイプを診断するための検査です。

血液中の赤血球が不足している状態のことを貧血といいますが、ひとくちに貧血といってもいろいろな種類と原因があります。

何が原因でどのような貧血が起こっているかを調べる際には、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットに加えて、これらから計算されるMCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球色素量)、MCHC(平均赤血球血色素濃度)といった項目も必要になってきます。

これらを理解するために、まず前提として赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットの3つを理解しましょう。


赤血球数とは、文字通り血液中にある赤血球の数です。

その赤血球中には酸素運搬に直接関わるヘモグロビンが含まれますが、総量として血液中にどの程度ヘモグロビンが含まれるかを示したものが、ヘモグロビンという検査値です。


ではヘマトクリットとは何でしょうか。

それは、血液中にある血球の体積です。

つまり、かなり乱暴に言い方になりますが、赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリットは、それぞれ「数」と「量」と「体積」と考えてください。

これらをもとに、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球色素量)、MCHC(平均赤血球血色素濃度)について順に述べていきます。


MCVとは?


平均赤血球「容積」のことです。

計算方法は、ヘマトクリット÷赤血球数×10です。

つまり、言い方を変えれば、体積÷数、ということですから、1つの赤血球あたりの大きさを表しているということが分かります。

MCHとは?


平均赤血球「色素量」のことです。

計算方法は、ヘモグロビン(血色素)÷赤血球数×10です。

つまり、これも先ほどの言い方を借りれば、量÷数、ということですから、1つの赤血球あたりのヘモグロビン量を表していることが分かります。

MCHCとは?


平均赤血球「血色素濃度」のことです。

計算方法は、ヘモグロビン(血色素)÷ヘマトクリット×100です。

これは、量÷体積、ということであり、赤血球の体積あたりのヘモグロビンを表しています。


基準値


  • 赤血球数:男性 430~570万/μl、女性 390~520万/μl
  • ヘモグロビン:男性 13.0~16.6g/dl、女性 11.4~14.6g/dl
  • ヘマトクリット:男性 40~52%、女性 35~47%
  • MCV(平均赤血球容積):男性 83.0~103.0μm3、女性 81.0~100.0μm3
  • MCH(平均赤血球色素量):男性 28.0~36.0pg、女性 27.0~35.0pg
  • MCHC(平均赤血球色素濃度):男性 31.2~33.8g/dl、女性 30.3~33.4g/dl


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    組み合わせで分かる病気


    医師
    貧血を分類するときに、「正球性」「小球性」「大球性」といって、赤血球の大きさを基準とする分け方と、「正色素性」「低色素性」「高色素性」といって、ヘモグロビンの割合を基準とする分け方があります。

    例えば月経過多や胃・十二指腸潰瘍などがあり、慢性的な出血があると起こる鉄欠乏性貧血であれば「小球性低色素性貧血」に分類されます。

    それぞれ3つずつ項目があるので3×3=9通りに理論的には分かれることになりますが、実際よくある病態としては、下記3つが挙げられます。

    正球性正色素性貧血


    これは、赤血球の大きさも正常で、かつ含まれるヘモグロビンも正常範囲であるものの、体全体でみると赤血球が不足している、という場合です。

    どういったときに起こるかというと、ひとことで言えば「血が足りない」ときです。

    急に出血した場合、赤血球が壊れてしまう病気(溶血性貧血)、血液を作れない病気(造血障害、腎性貧血)などです。

    作る血液は正常だけれども、何らかの原因で失われてしまったり、造血機構に問題があったり、という状況です。

    考えられる病気:溶血性貧血、再生不良性貧血、腎性貧血、白血病、悪性腫瘍、感染症など

    小球性低色素性貧血


    ヘモグロビンを作る際には鉄が必要不可欠です。

    持続的な出血によってその鉄が不足した場合に、ヘモグロビンを作ることができなくなり、赤血球中のヘモグロビンが不足するために赤血球が小さくなってしまいます。

    持続的な出血として多いのが、月経過多や胃・十二指腸潰瘍です。

    医師が若い女性の貧血をみた場合に、まず考えるのが月経過多による小球性低色素性貧血です。


    急な出血であれば、血液を作るための鉄はまだ不足していない状態ですので、正常な赤血球を作ることができます。

    この場合は、正球性正色素性貧血となりますが、持続的に出血が続き、貯蔵鉄が不足してきた段階では小球性低色素性貧血となるのです。

    その他、稀な遺伝子疾患で、正常なヘモグロビンを合成することが困難な病気の場合にも小球性低色素性貧血となります。

    考えられる病気:鉄欠乏性貧血、痔、月経過多、鉄芽球性貧血、サラセミアなど

    大球性正色素性貧血


    大球性貧血は、赤血球の大きさが通常より大きい貧血のことをいいます。

    巨赤芽球性貧血(悪性貧血)と、それ以外に分けることができます。

    巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸が不足することで赤血球を作る際に正常に作ることができず、細胞が大きくなってしまうことにより起こります。

    胃がんの手術後に、ビタミンB12や葉酸が吸収されづらくなってしまうことが知られており、そうした場合によく起こることが知られています。

    その他、肝臓が悪いと赤血球の細胞膜を正常に作ることができなくなり、大きな赤血球がみられるようになりますし、甲状腺疾患や白血病等によっても起こります。

    考えられる病気:巨赤芽球性貧血、葉酸欠乏性貧血、悪性貧血、肝臓病による貧血、甲状腺機能低下による貧血



    以上のように、貧血をみた場合には赤血球の大きさと、ヘモグロビンの量によって鑑別診断を行います。


    ただ、診療の現場において「正球性」や「低色素性」といった言葉を使うと患者さんは大抵混乱してしまいます。

    実際上、分かりやすく考える場合には、「正球性」「小球性」「大球性」だけでも概ね問題ありません。

    小球性貧血の多くは低色素性であり、正球性貧血の多くは正色素性だからです。


    つまり、それを判別するMCV(平均赤血球容積)にまずは注目し、自分の貧血が「正球性」なのか「小球性」なのか「大球性」なのかを考える、ということまでで十分でしょう。


    また、実際の検査結果では、貧血ではないもののMCV・MCH・MCHCが異常となることもあります。

    もちろん、それらの状態で病気が潜んでいる可能性が無いとは言えませんが、個人差もあり変動もあり測定誤差もある検査値同士を、決まった計算式で計算して算出している項目ですので、何ともないことも多々あります。


    検査の基準値というのは、多くは95%の人がその範囲内におさまる、というものであり、言い換えれば正常でも5%の人では基準値から外れるのです。

    そういった曖昧さを含んだ基準値同士を計算すると、体は健康でも多少の異常値が出ることはあるので過度な心配は禁物です。

    まとめ


    景色
    今回は、血液検査の「MCV」「MCH」「MCHC」についてお伝えいたしました。

    貧血の種類と程度によっては、早めに治療を開始しないと命に関わる場合もあります。

    軽度の貧血では症状が出ないことも多いため、検査で異常が出た場合には症状がないからといって安心せず、まず原因について考え、追加の精密検査や医療機関への受診を検討してみましょう。

    <ライター経歴プロフィール>

    しゅうぴん先生(ペンネーム)

    総合病院で外科医として勤務する傍ら、正しい医療情報を広めることをライフワークとし、執筆・講演活動等を行っています。


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