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PSA検査の数値が上がる原因は?食事や薬の影響は?

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健康診断

PSA検査とは、前立腺がんの検査です。

前立腺がんは世界的に、特に先進国において著しく増えている疾患の一つです。

例えば、アメリカにおいては男性のがんの中で罹患数は1位、死亡数は2位と、もっとも多い癌であるとも言えます。

日本においては、前立腺がんは、もともとあまり多くはありませんでした。

しかし近年高齢化の進行と食生活の欧米化の影響などにより、急激に患者数が増加しており、2020年には前立腺がんが、日本人男性のがんのうち、一番多いがんになると予測されています。

今回は、その前立腺がんの早期発見に有用なPSA検査について、数値の見方、費用、食事や薬との関連についてお話致します。

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PSA検査とは

PSAとはprostate specific antigen(前立腺特異抗原)の略です。

血清PSA値とは、前立腺から分泌されるPSAタンパクという物質が血液中にどれだけ存在するかを測定したものです。

健常な男性の場合でも、PSAはある程度血液中に存在していますが、前立腺に疾患がある場合は値が高くなります。

基準値としては、現状では血清PSA値が4.0ng/mlをこえると精密検査の適応とする場合が多いです。

ただし、通常年齢に応じて徐々に高くなる検査値なので、たとえば40歳でPSA3.5ng/mlであれば、その後4.0ng/mlをこえてくる可能性が高く、要注意です。

反対に、90歳でPSA5.0ng/mlであっても、年齢を加味すると必ずしも精密検査を行う必要があるわけではありません。

PSA高値の場合は泌尿器科を受診することになります。

直腸診、超音波検査、MRI検査、尿検査などを行いますが、最終的にがんがあるかどうかの診断には前立腺生検(組織検査)が必須です。

※(ng/ml:1ミリリットル当たりのナノグラム数)

では、簡単に基準となる数値と検査の結果の見方を見てみましょう。

数値と検査結果の見方

  • 一般的な基準値である1.0ng/ml以下の場合・・・3年に1度の検査
  • 50~64歳の場合 1.0~基準値3.0・・・1年に1度の検診
    3.0以上・・・専門医受診
  • 65~69歳の場合 1.0~基準値3.5・・・1年に1度の検診
    3.5以上・・・専門医受診
  • 70歳以上の場合 1.0~基準値4.0・・・1年に1度の検診
    4.0以上・・・専門医受診

上記のように見ていくことになります。

では、数値が上がっている場合はどのような原因があるのでしょうか。

数値があがる原因は?

PSAが高くなる原因は(1)前立腺癌(2)前立腺肥大症(3)前立腺の炎症の3つが特に多い

と言われています。

PSAは前立腺液に含まれるタンパク分解酵素で、前立腺がん特有のものではありません。

そもそも前立腺という臓器は、精液の一部を作っている臓器です。

体の中で液体成分を作っている細胞のことを腺といいますが、前立腺から前立腺液が出て、管を通って尿道に至るまでの閉ざされた経路の一部に傷がつくことで、PSAは血液中に浸出します。

傷の原因として多いのは、前立腺炎(細菌による感染症)、前立腺への物理的な刺激(大腸内視鏡検査)などです。

また、前立腺そのものが肥大していれば、当然作られるPSAも増えるため、血清PSA値は高くなります。

PSA高値であった場合にはどうする?

先ほどお伝えしたように、PSAの数値が高値の原因は前立腺癌、前立腺肥大症、前立腺の炎症の3つが特に多いと言われています。

しかし、PSA値だけでは、それらを区別することができないため、診断の確定には前立腺生検(前立腺の組織検査)が必要となります。

前立腺生検を受けた方に前立腺癌が見つかる確率は、PSAの値により大きく異なりますが、通常は40~50%と言われています。

つまりPSAが高くて「前立腺生検」を受けても、半数の方は前立腺癌が検出されないということです。

その大半(70%程度)は前立腺肥大症や前立腺炎によるPSA上昇です。

しかし、そういった前立腺肥大症や前立腺炎が無く、PSAが持続的に高い場合には、前立腺がんはあるけれども前立腺生検で見つけられなかった、という可能性があります。

前立腺生検は針を刺して検体をとる検査ですので、前立腺がんの病変自体が小さい場合には、その間をすり抜けてしまうことがあるためです。

このような場合は、通常2-3年のうちにPSAが徐々に上昇してきます。

2-3年以内にPSAが前立腺生検前の2-3倍以上に上がるような場合には、前立腺がんが隠れている可能性が高く、再度前立腺生検を行う場合があります。

そのため、1回の前立腺生検で前立腺がんが検出されなくても、その後もPSAを測定し経過を観察することは大切です。

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何科で受ける?費用は?

PSA検査は、前立腺がんの早期発見のための検査ですので、泌尿器科にかかることが最良ですが、内科など、どこの医療機関でも検査自体は通常可能です。(検査値の解釈、追加検査を要するかどうかは泌尿器科医の方が得意です)

保険病名として「前立腺がんの疑い」とつけば保険診療として検査を受けることができます。

また、人間ドックや自治体の検診でも受けることができます。

(例:人間ドックのオプション・・・2000円~3000円、自治体の検診・・・・・・・・500円~2000円)

前立腺がんと食生活の関係

近年、日本人男性の間で前立腺がんが急増した原因は、欧米化されたカロリーが高い、高脂肪の食生活が少なからず関係していると考えられています。

同じ日本人でも、日本に住んでいる日本人とハワイに住んでいる日本人では、前立腺がんの罹患率が大きく異なる(ハワイ在住の方が高い)という研究結果もあります。

また、大豆などに含まれるイソフラボンが前立腺がんの発症を抑えるとの報告もあります。

前立腺がんは男性ホルモンと密接にかかわるがんですが、イソフラボンにはエストロゲン(女性ホルモン)としての活性があり、血中テストステロン(男性ホルモン)のレベルを低下させることが知られており、大豆摂取の多い人では特に比較的早期の前立腺がんが少ない可能性があるとも言われています。

ただし、悪性度の高い(進行のはやい)がんを抑える効果は無いとする見方もあります。

服用中の薬でPSA値を下げる事がある

PSA値は、薬によって下がることがあります。

有名なのはアボルブ(5α還元酵素阻害薬)という前立腺肥大の薬です。

近年、ザガーロという名前で脱毛症の治療薬としても発売されました。

これには男性ホルモンをおさえる作用があり、PSA値は概ね半分程度に減少します。

そのため、そういったPSA値に影響を与える薬を飲んでいる場合は、基準値も変えて考える必要があります。

ザガーロなどの薬を飲んでいる場合は、検査前に必ず医療機関に相談してください。

また、前立腺がんの治療薬も、男性ホルモンを抑える作用がメインなのでPSA値は下がります。

PSA値だけ下げても意味がない

よく外来で、「PSAが4をこえていますから、精密検査をしましょう」、とお話すると「PSAを下げる薬は無いんですか?」と聞かれることがあります。

しかしそれは誤った考えです。

確かにPSAを下げる薬はあります。

しかし、PSAというのはあくまでスクリーニングのための検査であって、PSAそのものが悪いわけではないのです。

前立腺がんが体の中にあって、その存在を教えてくれるのがPSAなわけですから、PSA自体を躍起になって下げようとしても、がんが治るわけではなく、意味が無いのです。

まとめ

「PSA高値 前立腺がんの疑いあり」と指摘されたら誰しも不安になります。

しかし、PSA検査はあくまでも前立腺がんのスクリーニング検査であり、それだけで確定診断はできません。

PSA自体は前立腺液に含まれるタンパク分解酵素で、前立腺がん特有のものではありませんので、確定診断を得るためには前立腺生検が必要です。

かかりつけの内科での検診や人間ドックでも受けることはできますが、結果の解釈や追加検査のタイミングについては泌尿器科の専門領域ですし、食事や薬によっても影響を受けますので、PSAが高い場合はまずお近くの泌尿器科を紹介してもらうのが最良です。

たとえ前立腺がんと診断されても、早期発見であり適切な治療を受ければ多くは根治可能です。

50歳をこえたら、まず1度PSA検査をしてみましょう。

<ライターの経歴プロフィール>しゅうぴん先生(ペンネーム)

総合病院で外科医として勤務する傍ら、正しい医療情報を広めることをライフワークとし、執筆・講演活動等を行っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。

今回は、男性が特に気になるPSA検査について、外科医の先生に解説して頂きました。

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