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血液検査でCRPが高い!その原因は?どんな病気があるの?

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健康診断

健康診断の血液検査でCRPの値が高いと言われたら心配ですよね。

考える3

何かの病気での血液検査の場合は、病気が分かっていると思いますが、健康診断での結果だと原因や病気が分からず、数値だけ高く出て再検査とかになると、とても気になりますよね。

本日は、血液検査でCRPの値が高い場合に考えられる原因や病気を内科の先生に解説して頂きました。

まずは、CRPとは何かを見てみましょう。

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CRPとは何?

考える

熱が出て病院を受診し血液検査を行うと、大体検査項目に入っているCRP。

その後医師から「CRPが高いので、入院しましょう。」「CRPがそれほど上がっていないので、心配いりません。」などと説明を受けたことがあるかもしれません。

いったいCRPとはどういったものなのでしょうか。

そしてなぜCRPが低いと心配がなく、高いと入院しなければいけないのでしょうか。

よく測定されるCRPについて説明します。

CRPはC反応性タンパク(C-Reactive Protein)の略称です。

CRPは、肺炎球菌という細菌が持っているC多糖体に反応し結合する蛋白、として発見されたため「C多糖体」に反応する蛋白として名前がついたのです。

しかし後に、実際にはホスホリルコリンという物質に反応する成分で、そのため肺炎球菌だけでなく、ホスホリルコリンをもつ細菌でも増加することがわかりました。

CRPは病気がない時にはほとんど体内に存在しません。

CRPの主な役割は体を守ることです。病気やけがなど、体を守らなければいけないときだけ体内で産生されます。

例えば細菌に感染した場合は、CRPが細菌の表面にあるホスホリルコリンに結合し、補体という成分を活性化します。

その結果、細菌を溶かしたり(溶菌反応)、白血球が細菌を取り囲んで殺菌や消化する反応(貪食反応)が起こり、体を細菌から守るのです。

CRPが高い時はどんな病気があるの?

医師

CRPが増えるのは、基本的に体内に炎症を起こしている場合です。

代表的な病気は細菌の感染症ですが、細菌がいなくても炎症を起こす病気であれば増加します。

  • 外傷
  • 皮下出血
  • 火傷
  • 手術
  • 自己免疫性疾患
  • 梗塞
  • 腫瘍

ただし、CRPが増加しやすい病気と、そうでない病気があります。

感染症では細菌や真菌が原因の場合は増加しやすく、ウイルスが原因の場合はあまり増加しません。

マイコプラズマやクラミジアでも、ほとんど増加しません。

CRPが上がりにくい病原体は、ホスホリルコリンを持たない病原体です。

もしこれらの感染症でCRPが高くなった場合には、病原体によるものではなく感染によって組織の損傷や炎症が重度であることを反映しています。

また、梗塞の場合は心筋梗塞で増加しやすく、脳梗塞ではあまり増加しません。

炎症がおきるとCRPはどのように増えるの?

虫めがね

体のある部分に損傷が起きると、その部分から異物が侵入するのを防ぎ、修復するための反応が始まります。

まずは損傷部位に白血球が集まり、サイトカインという物質を放出します。

サイトカインとは、組織を修復するために必要な細胞や物質を集めるための伝達役です。

このサイトカインは、血液の流れにのって全身に届き、必要な物質や細胞が全身から損傷部位に届けられます。

けがをした部分が熱を持つのは、これら傷の修復に必要な物質を早く届けるために、傷の部分の血流が増えるからです。

肝臓にサイトカインが届くと、肝臓では傷を修復するための様々な蛋白を作り始めます。

その1つがCRPです。肝臓で作られたCRPは損傷部位にたどり着いて複数の働きをします。

このCRPの働きはまだ解明されていない部分もありますが以下のような働きをしていると考えられています。

  • 補体の活性化:補体を活性化し細菌に対し溶菌反応や貪食反応を引き起こします。
  • 抗炎症効果:白血球の1つである好中球を活性化し炎症を抑えます。

動物実験ではCRPが多いマウスとCRPが作れないマウスを比較した場合、CRPが多いマウスの方が死亡率が低かったと報告されています。

  • 凝固線溶への影響:凝固とは血液を固める反応です。

かさぶたを作るイメージです。線溶とは逆にかさぶたのような血液の塊を溶かす反応です。

病気によっては凝固のシステムに異常をきたし、必要がないのに体内で血液の塊をつくる反応が亢進することがあります。

この場合、きちんと線溶の反応があれば血液の塊を溶かすことができますが、これらの凝固線溶のバランスが崩れると体内に血液の塊ができて血管が詰まったり、逆に血液の塊が作れなくなって出血が続いたりします。

CRPはこの凝固線溶システムに影響を与えている可能性があります。

  • 新たな成分の増加:CRPは白血球が放出したサイトカインにより産生されますが、CRP自身もIL-8やフィブロネクチンなどの様々な物質を増やす効果があると考えられています。

肝臓でのCRP産生は6-8時間後に始まり、ピークは36-50時間後です。

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作られたCRPは肝臓で代謝され、CRPの半減期は19時間です。

CRPは肝臓以外でも合成されますが、血液検査に影響を与えるほどの量ではありません。

CRPと白血球

悩む2

体内に炎症が起きると変化するのはCRPだけではありません。

血液検査で測定できる炎症を反映した検査は、このほかに白血球数・赤沈・血清タンパク分画・SAA(血清アミロイドA)があります。

このうちCRPとSAAは似た動きをします。

SAAも肝臓で作られるタンパクで、CRPと同じ早さで炎症に反応し増加します。

しかし、CRPとSAAは一緒に測定する意味があまりないため、通常病院ではCRPの方を測定するのが一般的です。

発熱・咳・痰の増加などの症状があり、明らかに細菌感染である場合は、炎症の目安としてCRPとともに白血球数を測定することが多いです。

白血球は感染が起きるとCRPよりも早く増加します。(まず白血球が炎症部位に集合して、放出したサイトカインでCRPが作られるのでしたね。)

この白血球数とCRPの時間差を利用すると、今病気のどの段階なのかを推測することができます。

つまり、白血球数だけが増加し、CRPがほとんど増加していなければ、感染したばかりの初期、白血球数とCRPがともに増加していれば感染のピーク、白血球が低下し始めてCRPがまだ高ければ感染の後期と考えられます。

赤沈も炎症を反映した検査ですが、CRPよりも反応が遅いことや検査に時間を要すること、凝固線溶のシステムに異常があると誤った結果がでることから補助的に行われる検査です。

また、血清タンパク分画も他の病気の影響を受けることや検査当日に結果が出ないこともあり、やはり補助的に行われる検査です。

CRPが増加したらどうすればいいか

疑問2

CRPが増加した時には、体のどこかに炎症があるということです。

治療の基本は病気を診断して治療ということになりますが、CRPがとても高く、また全身状態が悪い時には治療を先に始めるときもあります。

感染がなくてもCRPは上がりますが、やはりCRPが上がる病気で多いのは感染症です。

そのため診断前に治療を行う場合は、抗生剤を使用することが多いです。

抗生剤を使用して速やかに(3日程度で)改善がみられない場合には、炎症を抑える目的でステロイドを追加することもあります。

ステロイドは感染症を悪化させることもあるため、その投与は慎重に判断しなければなりませんが、ひとまずステロイドで炎症を抑えておいて抗生剤が効くのを待つ、という考え方もあります。

ステロイドは炎症を抑える効果があるので、自己免疫性疾患や腫瘍による炎症でも使用されます。

このステロイドは点滴・注射・内服・塗り薬などの方法で使用します。

子どもでCRPが高い場合でも、やはり最も多い原因は感染症です。

全身状態や病気の経過、CRPの数値により、抗生剤を使用するか、対症療法として症状を抑える薬だけで様子をみるかを判断します。

例えば熱が出て数日たっており、CRPは上がっているけれど白血球が正常値であれば病気のピークは過ぎたと考えて対症療法でよい、と判断するのです。

抗生剤が必要な場合も内服でよいのか、点滴が良いのかをCRPの値も含めて検討します。

CRPでよくある誤解

1.CRPが高いから抗生剤が必要だ。

CRPはあくまで炎症を反映した数値です。

ホスホリルコリンを持った細菌感染症ではかなり高い数値になるのは事実ですが、CRPが高いからといって、すべての人に抗生剤が必要というわけではありません。

2.あの人はCRPが高くて入院したから、私も入院が必要だ。

CRPは病気の重症度や経過の参考になる検査ですが、CRPの値だけですべてがわかるわけではありません。

友達が肺炎になりCRPが10で入院したからといって、あなたがCRP10の肺炎になっても、必ず入院するわけではないのです。

それよりも病院に初めて行ったときに肺炎でCRP10だったとして、その数値が上がるか下がるかによって、治療の効果があるかどうかを判断する目安になると考えて下さい。

他の人と比較するのは意味がありません。

3.治療を始めたのにCRPが上がっている。治療が効いていない!

CRPの動きにはタイムラグがあります。

炎症が治まっていてもCRPが減り始めるまでには最大3日ほどの時間のずれがでます。

細菌感染症で抗生剤による治療が始まっても、3日後の血液検査でCRPが治療開始時と比べて上がっていることはよくあります。

白血球が下がっていて、熱があったのにあまり高い熱が出なくなっていれば治療は効いていることが多く、治療を変更する必要はありません。

<ライター経歴プロフィール>春田 萌(ペンネーム)

関東の総合病院に勤務する40歳代、一般内科医師です。外来で患者様によく質問されることなどを織り交ぜて、わかりやすい説明をさせていただきます。

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