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血液検査の肝炎ウイルスはどんな時に受ける?項目の見方とは?

      2016/12/08


B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスという言葉を聞いたことがありますか?

病院や施設で働いている人は、これらの肝炎ウイルスについて検査を受けたことがあるかもしれません。

献血や輸血をしたことがある人、妊娠した人、手術を受けたことがある人もこの検査を受けていることが多いでしょう。

また人間ドックの項目に入っている場合もありますよね。

血液検査
そして「肝臓の数値が悪い人も、一度肝炎ウイルスのチェックをしておきましょう。」と検査しているかもしれません。

この肝炎ウイルス検査はどのようなときに受けるのでしょうか。

まずは、このB型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスとはどんなウイルスなのかを見てみましょう。

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B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスとは?


血液検査
B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスは、肝臓の細胞を攻撃するウイルスです。


肝炎ウイルスは血液や性交渉を介して感染し、血流にのって全身をめぐります。

肝臓の細胞には肝炎ウイルスがくっつきやすい形状の部分があり、肝炎ウイルスはその部分に結合して肝細胞を攻撃します。

そして急性肝炎・慢性肝炎・肝硬変・肝癌などの原因になるのです。


肝炎ウイルスにはA型、B型、C型、D型、E型などがありますが、日本ではほとんど見られないウイルスであったり、感染しても一時的であるウイルスであるため、実際に問題となることが多いのはB型とC型肝炎ウイルスです。

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どんな時にB型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスを測定する?


検査
肝炎ウイルスの検査を行う場合は大きく分けて2つです。

1.肝炎ウイルスによる病気の可能性がある場合


  • 血液検査や画像検査で肝臓の病気と診断され、肝炎ウイルスが原因かどうかを調べるときに行います。

  • 2.他の人に肝炎ウイルスを感染させたり、感染させられた可能性があるとき


  • 献血の場合、輸血先の患者に肝炎ウイルスを感染させないように、すべての血液で肝炎ウイルス検査が行われます。

  • 感染陽性の場合に通知希望の申し出を行っておくと、陽性の場合には後日郵便で連絡があります。

    通知希望を出していない場合は陽性であっても連絡はなく、また献血で提供した血液も使用されず破棄されます。(誤解がないように付け加えますが、献血は検査を受けるために行うものではありません。感染があった場合の連絡はあくまでサービスです。)

    輸血をした場合


    現在の献血は可能な限り精密な肝炎ウイルスの検査を受けて、ウイルスがないと判断されたもののみを使用していますが、感染の可能性がゼロではありません。

    そのため輸血数か月後に、肝炎ウイルスに感染していないか血液検査を行います。

    輸血が原因で感染した場合は補償を受けることができるからです。

    妊娠時の検査


    B型肝炎ウイルスは母子感染するウイルスであることがわかり、さらに出産後すぐに赤ちゃんに予防を行うことで、高率に感染を防ぐことができることがわかっています。

    そのため現在では妊娠時の検査に肝炎ウイルスが組み込まれています

    手術や観血的な治療が予定されている場合


    肝炎ウイルスは血液を介して感染するため、医療者への感染のリスクや医療器具の消毒などの参考にするために事前に検査を行います。

    医療従事者の場合は、肝炎ウイルスを持っている患者に接する機会が多いため、就職時などに肝炎ウイルスの検査を受けます。


    これは就職時点で陰性であり、その後万が一医療事故などにより肝炎ウイルスが陽性になったことが証明できた場合、労災の認定が可能になるからです。

    人間ドックの項目に入っていることもあります


    もしオプションで選択できる場合は、これまで検査を受けたことがなければ1回だけ受けておきましょう。

    その後は輸血や大きな手術などを受けておらず、肝臓の結果が正常範囲内であれば、追加オプションとして肝炎ウイルス検査を受ける必要性はありません。


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    抗原と抗体について


    肝炎ウイルス

    肝炎の検査の中には抗原と抗体があります。

    肝炎ウイルスにおける抗原とは、そのウイルスに特徴的な印と考えて下さい。

    この印は、体が異物を除去するときの目安になります。


    つまり人間の体の中には通常存在しない印が見つかった場合には、体が異物と認定して除去を始めます。この除去のため体が産生するのは抗体です。

    この抗体は異物の印である抗原にくっつき、異物の存在やその位置を知らせます。

    この抗体というシステムにより、体は異物を除去できるのです。


    そしてこの抗体は、原因となる異物が体に侵入しないと産生されません。

    つまり肝炎ウイルスの抗体が検査で検出されたときには、現在もしくは過去に肝炎ウイルスが体内に侵入したことを表しています。



    例外は肝炎ウイルスの予防接種を受けた場合です。

    B型肝炎ウイルスにはワクチンがあり、この予防接種を受けた場合はB型肝炎ウイルスに感染したことがなくてもHBs抗体が陽性になります。C型肝炎ワクチンについては開発中で使用されていません。

    B型肝炎ウイルスは3つの球


    肝炎
    B型肝炎ウイルスの検査を理解するためには、ウイルスの形を知ることが重要です。


    B型肝炎ウイルスは、3つの球でイメージするとわかりやすいです。

    大きな球の中に中くらいの球、その中に小さな球が入っていると考えて下さい。

    外側にある最も大きな球は、surface(英語で表面という意味)と呼びます。


    ですからこの最も大きな球の表面にある抗原をHBs抗原、それに対する抗体をHBs抗体と名づけました。

    中くらいの球はenvelope(皮殻部)と呼ばれているので、この部分の抗原はHBe抗原、それに対する抗体をHBe抗体といいます。

    そして一番中心部にある小さな球は、core(中心)と呼ばれているのでこの部分の抗原はHBc抗原といいます。


    HBc抗原はHBe抗原に覆われているため測定することができませんが、HBc抗体は測定が可能です。


    B型肝炎ウイルスの検査について


    血液検査
    B型肝炎に関連した検査は以下の通りでです。

    通常の肝機能検査:AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GT・ALP・ビリルビン・ChE

    肝臓の働きを反映する検査:血小板数・プロトロンビン時間

    肝炎ウイルスの量や活動をみる検査:HBs抗原・HBs抗体・HBe抗原・HBe抗体・HBc抗体・B型肝炎ウイルス量


    ここではHBs抗原・HBs抗体を中心に説明します。

    抗原抗体で説明したように、HBs抗原が陽性ということはB型肝炎ウイルスがいる、ということです。


    HBs抗体は、このHBs抗原に体が反応して産生した、ということになります。

  • HBs抗原陽性→HBVウイルスに現在感染している。
  • HBs抗体陽性→HBワクチンを接種した
  • (HBワクチンを接種していない場合)HBVウイルスに一度感染している

    なお、健診などではHBs抗原だけを測定することが多いです。それはB型肝炎ウイルスを「現在」持っているかどうかを知りたいからです。

    HBs抗原が陽性であった場合には、「少なくとも体内に現在、B型肝炎がいる」ことを示しています。

    この場合、肝機能検査であるASTやALTを測定します。


    ASTやALTが上昇していれば現在肝細胞の破壊が起きていると推測され、「肝臓に炎症がある」と考えます。

    経過によりますが慢性B型肝炎や急性B型肝炎の可能性が高くなります。


    さらに血小板が低下していたり、プロトロンビン時間が延長していた場合は肝炎が進み、肝臓の機能が高度に低下している可能性があり、画像検査の結果と合わせて「肝硬変」と診断される可能性があります。

    肝臓や全身状態にもよりますが、B型肝炎ウイルスには抗ウイルス薬があるため、感染し肝炎を起こしている場合には、抗ウイルス薬による治療が検討されます。


    もしHBs抗原が陽性であっても、各肝臓の検査でまったく異常がない場合は「キャリア」と呼ばれます。

    発症はしていないので基本的に治療は不要ですが、体の免疫力が低下すると肝炎を発症する可能性が考えられます。

    ですので、免疫抑制剤や抗がん剤による治療が予定されている場合には、抗ウイルス剤を使用することがあります。


    医療従事者や肝炎ワクチンを接種した人は、HBs抗体も測定します。

    これはB型肝炎に対する抵抗力を持っているかを確認するためです。

    肝炎ワクチンを接種していても、抗体が短期間で消えてしまう人もいます。その場合はさらに肝炎ワクチンの接種の追加を検討します。

    C型肝炎ウイルスの検査とは?


    検査
    C型肝炎に関連した検査は以下の通りです。

    通常の肝機能検査:AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GT・ALP・ビリルビン・ChE

    肝臓の働きを反映する検査:血小板数・プロトロンビン時間

    肝炎ウイルスの量や活動をみる検査:HCV抗体・C型肝炎ウイルス量


    肝機能検査や働きをみる検査はB型肝炎と同じです。

    C型肝炎ウイルスの抗体検査は、1種類しかないため簡単です。

    HCV抗体が陽性であればひとまず「C型肝炎ウイルスが体に入ったことがある」ということがわかります。


    あとはウイルス量を測定し、「現在ウイルスが体内にあるかどうか」を調べます。

    ウイルス量が陰性であれば多くの確率で「過去にウイルスに感染したが、現在はウイルスが残っていない」可能性が高いです。

    現在のウイルス量の検査は、かなり微量でも検出できるようになりましたが、中には肝臓内にウイルスはいるけれども、血液の中にはウイルスがいない場合もあります。

    そのために、ウイルス量が陰性であっても経過観察が勧められます。

    ウイルスが検出された場合には肝機能検査も行い、ウイルスがいるだけ(キャリア)なのか、肝炎をおこしているのかを検査します。


    C型肝炎はインターフェロン治療が主体でしたが、最近では内服薬のみでの治療が可能となりました。

    <経歴プロフィール>

    春田 萌(ペンネーム)

    関東の総合病院に勤務する40歳代、一般内科医師です。外来で患者様によく質問されることなどを織り交ぜて、わかりやすい説明をさせていただきます。

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